2019年03月24日

PC画面を見続ける映画2

アマゾンビデオで「サーチ」を見ました。



いきなりWindowsXPのホーム画面。なんとなく懐かしく思っていると、娘の名前「マーゴット」が登録されて、家族の共用パソコンなのがわかる。この画面を使って入学やピアノレッスンの初日などが映し出されて、簡潔に韓国系アメリカ人家族の歴史が紹介される。そのうちに予定表に医師の診察が、、、母親がリンパ腫を発症、闘病ののち亡くなって、高校の入学写真は父と娘の2ショット、微妙な表情。画面のはじにはウィルスソフトのアラートが、後に694日アップデートをしていないことがわかり、母の死の後2年ほど、このPCが放置されていたことがわかる。

画面が変わって、現在のMacbookの画面。ヨセミテ渓谷らしき背景画像。映像付き通話アプリ「フェイスタイム」のウインドウ内での父と娘の会話。ゴミ捨てを忘れた娘を叱る父親。今夜は友人宅での勉強会で遅くなると娘が言って、微妙にウザがられてる感じで通話終了。深夜に娘から3回の着信、父親は就寝中。マーゴットはそれきり姿を消す。

父親、デビット・キムはITエンジニアらしいことが会議の画面からわかる。娘はピアノのレッスンに行ったとばかり思っていたが、連絡をしてみると半年前に退会したと知り、マーゴットに、父が知らない秘密の部分があることがわかり弟に相談、現在の友人関係を何も知らないことに気づき、家族PCを検索して、ようやく旧友とのキャンプの予定を知るが、翌日、待ち合わせに現れなかったのを知り、ここで警察に通報。専任捜査官がやってきて、警察の捜査と並行して、娘の情報や心当たりを探すように促される。。。

デビットは自分の知らなかった娘のFacebook、Instagram、オンライン送金サービスVenmo、ライブビデオ公開サービスYouCastなどを探し当て、自分の知らなかった娘の秘密を探ってゆく。。。そして驚きの展開が!!。。。

という感じで、この映画は全編PC画面上で見られる情報でお話が進んでゆく映画です、映画というよりもデビットの捜査、探索してゆく情報を一緒に見ている感じ。映画の鑑賞者も一緒に推理しているような気がしてきます。画面上には物語のヒントが、画像、文字、映像、音で提供されていて、実は事件の真犯人も写っています。Macbookの画面の最初に出てくるニュースサイトの、無関係そうな登山で遭難したおじさんの救出の話も、実はヒントになっています。ボーッと物語の展開を追ってゆく映画と違うのは、読み解く楽しみを含んでいる映画なのです。

それと、父親の操作する画面上でマウスポインタやテキスト入力が父親の心情や、迷いを表現して、演技しているかのように振る舞うのが面白かったです。

最近のPCとインターネットサービスの進歩には驚かされます。聞いたこともないネットサービス、Macを使っているのに、知らなかった機能だらけでした。でも皆本当にできることのようです。今、ふつうのMacでできることにこだわっているのが、この映画のリアル感につながっている気がします。そこが前に見たPC画面を見続ける映画、
「ブラックハッカー」と少し違うところ、あちらは最後にファンタジーの世界にぶっとんでいってしまったのです。どちらも面白い。

それと、Macの画面を見ているつもりになっていたけど、液晶の画素が全く無いのに気づきました。あれ、この映画どうやって作ったの?画面を撮影してるんじゃないし、拡大している場面でも画素は見えない。それぞれのニュース映像にはドットの感じはあるけど?Windowsの文字にはドットがあって、Macはベクターフォントだからドットが無いのはこれで合っているのだろうけど?画面録画ソフトがあるのは知ってるけど、こんなに綺麗に録画できるものだろうか?
もしかしたらニュース映像やスマホカメラの映像はその機器で録画して、PCでキャプチャーしたものを、もう一度CGで可能なかぎり作り込んだデスクトップにはめ込んで、高精細のデータとして書き出したのか???

じゃぁ、映画館の映画ってどのくらいの解像度でできてんの?。この映画の原盤の画素ってどのくらいでできてんの?テレビで見るから4Kあれば十分かも、、?ン?うちのテレビが2Kだから画素が見えなかっただけか?。

監督を務めたアニーシュ・チャガンティはスマホだけで撮影した、アメリカからインドへ弾丸帰省する短編の自主制作映像作品が認められGoogleに入社、同社のPR映像などを作っていたキャリアの人。とすると、ITの人。どんな高度な技術を使っていてもおかしくは無い。

どうかなぁ。

とここまで書いて、映画館の解像度を調べてみればいいじゃんと思い立ち、調べてみたら、普通のデジタル上映館でなんと2Kとか4Kなのだそうで、うちのテレビとそうは違わないらしいのです。ただしデータの圧縮率は低いとのこと。となると、この映画、スマホなどで撮ったものを、うまいことネットサービス上やMacの中に置いて、それらしく操作しているところを、直にHDMIとかで録画機に流し込んでも製作可能ということになるのかも、、、どうなのかなぁ?。
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2018年09月25日

映画「メッセージ」の個人的なネタバレ



これは個人的にあっ!こういうことかも、、、と思った事なので正解では無いかもしれないのですがネタバレを含むのでご注意を。。。

ブレードランナー2049の謎について考えていたら、そういえばドゥニ・ヴィルヌーヴって変な映画作ってるなぁと、「メッセージ」について思い出し、突然あの映画の最後の謎が解けた気がしたのです。

自分の娘との生活、そしてその子が不治の病にかかり死んでしまう夢を見る言語学者のルイーズ・バンクス。

ある日突然世界中に出現した12隻の宇宙船との対話のため、米軍に招かれる。宇宙船に入るとガラスで仕切られた会見室。向こう側は霧か煙のようなものが充満する空間、その中にイカかタコのような異星人が現れる。彼らとの会話は音声ではなく、彼らが腕の先から出す墨で描かれる文字によるもの。この文字の解読のため宇宙人の正体を知るために、言語学者のルイーズと物理学者のイアン・ドネリーが呼ばれたのだ。

宇宙人の描く文字は、前衛書道家が描いた円のようなもので墨のハネのようなディティールに意味がある。表音ではなく、漢字のような表意文字で、今、過去、未来のような時制がないことなどがわかってくる。

国によっては敵対的な宇宙人ではと危惧するが、彼らの能力や武力の有無が不明なため手は出せない。文字の解読が進み、彼らの目的について尋ねると、「武器を提供」と解読され地球側は騒然となる。しかし「武器」には「道具」という意味もある。中国が敵対姿勢を強めると対話は断絶、攻撃準備のレベルが上がる。

最後の会見に向かったルイーズとイアンは米軍内の敵対勢力の爆破工作に巻き込まれるが、間一髪会見室から吐き出され、助かる。いよいよ臨戦態勢となり撤収が始まる基地でルイーズは一人もう一度宇宙人を訪ねる。霧の中に通されたルイーズは初めて宇宙人と同室し、驚きの事実を知る。。。宇宙人の全体像。1人の宇宙人が爆発のため、死の過程であること。彼らには現在、過去、未来を知る能力があること。人類は3000年後にあることで宇宙人を助けること。そのためには宇宙人が現在の地球に来て道具(言語)を授ける必要があったこと。

ほぼ全ての謎は解けたのですが、ここでルイーズが宇宙人に一つ質問をします。
「私が夢に見る少女は誰?」なんと、視聴者がずっと過去に失った娘と思わされていたのは。これから授かって、失う娘の事だったのが明かされます。

宇宙人と会い宇宙人の言語を理解するようになったルイーズは、未来に起こることを知る能力も身につける、ルイーズは中国軍の将軍に電話口で将軍個人しか知らないことを言い当て、宇宙人が友好的なものであることを知らせ危機は回避され。宇宙人は膨大な文字を残して未来に帰ります。

最後の謎はこのあとルイーズが予言通りイアンと結婚し子供をもうけ、失ってしまう選択をすることです。未来でイアンはルイーズがそのことを知っていたことに怒り、2人は分かれます。未来に起こる凶事をなぜ防ごうとしなかったのか、ずっと分からず、おそらく人間的な感情で、娘との短い時間を選んだのかと思っていたのです。謎の答えはこれでもよかったし間違えではないと思っていたのですが、今回思いついた答えはもっと合理的なことです。

SFでは未来はこれから起こることなので変えられる、しかし過去に起こったことを変えようとするとパラドックスになって上手く行かない。というのが多くの場合通例のようになっていたのですが、この映画では実は未来も変えられない宿命だと言っているのです。

爆死した宇宙人は、過去や未来を知る能力で自分が死ぬのを知って現代の地球に来ていましたし、わざわざ危険を冒して過去の地球に来たのも、過去に起こったことをその通りに実行しないと、3000年後の自分達が生き残れないと知っていたのです。ルイーズに未来を見せたのも、子供を失うことが何か未来への鍵になる重要な出来事だから変えてはいけないと警告していたのです。

中国軍の将軍も、危機が去った後の祝賀式に、自分がルイーズから聞かされる秘密の言葉を教えに来ます。そうしないとルイーズがその言葉を知ることができないからでしょう。

もし未来に起こる凶事を知れたとしても、それを変えようとすると、その先の未来に関係してくる人々にとっての過去を変え、運命を変えてしまうかもしれない。だから彼女は見せられた未来を回避することができないと悟ったのです。

この映画の中では人類は知らずに宿命の一本道を歩いている存在だ、と定義しているのです。未来を知ることのできる宇宙人たちは、知ることはできても変えることはできない諸行無常の存在であることも想像できるのです。

原作はアジア系アメリカ人テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」。なんとなくアジア的なアイデアに感じるのはそのせいか?。

かなり複雑な筋でも全て答えを出して終わる映画は、映画が終わればそこで見終えた気がするのですが、答えを出さずに終わる映画は、後からたまに思い出して。また考えて、いつまでも終わらない感じ。こういう謎映画を見ることが増えてきました。何ヶ月後かに突然答えを思いついた時の脳の中で小さな火花が弾ける感じが楽しい。。。間違ってるかもしれないけど。
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2018年08月31日

トレイン・ミッション

amazonでレンタルした「トレイン・ミッション(原題:The Commuter)」が面白かった。



60歳のマイケル・マコーリー(リーアム・ニーソン)。元警官だが家族との生活のために保険のセールスマンに転職し、この10年は毎朝、ニューヨーク郊外から電車でマンハッタンの保険会社まで通勤している。
通勤電車はだいたい同じ顔ぶれが同じ駅で乗り降りするので、ほとんどの人が顔見知り、親しく言葉をかわす人もいる。息子の私大入学が決まり、家のローンも残っている、あと5年はみっちり働きたいところ。。

しかしこの日突然上司から解雇を言い渡される。退職金は社の保険に組み入れられ、いわば現物支給、妻に報告もできぬまま、ちょうど誘われた警官時代の同僚と一杯飲んで、定刻の6:25分グランドセントラル駅発の電車に乗り込む。.おまけにホームでぶつかった男にスマホをすられた。。。

ここまで15分ほどで、この男の人生、夫婦の10年、通勤環境、警察の友人、通勤電車の知り合いなどが、過不足なく実にスムースに頭に入ってきて、この映画うまいなーと思う。

車内が空いてきて、ボックスシートに陣取り、息子と共有している本を読み始めると、半ば強引にジョアンナという女が話しかけてくる。この女、実に話がうまく釣り込まれて話を聞くと、実はある依頼をされている。「2号車のトイレに隠してある2万5千ドルが着手金。成功報酬が7万5千ドル、この電車の乗客の中からある人物1人をあなたに探し出してほしい。その人物は、、いつもは乗っていない、コールドスプリング駅で降りる予定、カバンに盗品を隠し持っている、プリンという偽名を使っている。」というもの。「元警官なら、そんなに難しくないはず。」と言われ、最初から自分を狙って依頼してきたのだと気づく。ジョアンナはそこで電車を降りて行ってしまう。

不本意ながら2号車のトイレを探ると2万5千ドル入りの封筒を見つけ、電車を降りてしまえばと思うが、使いの子供に制止され手渡された封筒には妻の指輪が入っていて、家族が人質なのを知る。親しい通勤客の老人にメモを渡すと彼は駅を出たところで交通事故に遭い、その場面を一時停車した電車の中から見せられ、思いのほか実行力のある組織の陰謀に巻き込まれたのを知る。まるで天の目があるかのように車内の様子を把握して連絡してくるジョアンナ、降りることのできないトレインミッション。興味は乗客の中でだれがプリンという人物なのか、マコーリーがどうやって探し出すのか、そしてどんな結末を迎えるかに移ってゆく。。。。。。そして大爆発。。。小気味のいい後日談。。小洒落たエンドロール。よく出来た映画でした〜。

ところで、電車ミステリーということで、実際にこんな路線があるのか気になって、グーグルマップで調べてみると実際にメトロノース鉄道ハドソン線がありました。マンハッタンのグランドセントラル駅から北上してハドソン川沿いを走る路線で楽しい眺めを満喫できそうな通勤電車です。コールドスプリングまで1時間20分ほどかかるようです。

面白くなって、マコーリーの通勤時間が知りたくなり、映画最初の方のほんの数カットに写っていたタリータウンという駅名を見つけて、45分ほどの通勤時間らしいことがわかりました。自分の近くの環境に当てはめると茅ヶ崎あたりから東京駅まで通勤していた会社員が陰謀に巻き込まれて。終点の小田原駅まで行くことになるという感じ。。?

それと色々検索していたらウィキペディアのメトロノース鉄道ハドソン線の項目で衝撃の事実が!実は電化されているのはコールドスプリング駅の5つ前のクロトン・ハーモン駅までで電化車両はそこが終点または乗り換えてコールドスプリングスまで行くとすると終着駅はコールドスプリング駅の4つ先のポキプシー駅となるのです。またこの路線では、マンハッタンの地下鉄駅には各駅停車はせず、グランドセントラル駅の次はハーレム125丁目駅のようなのです。

つまりこの映画のハドソン線は筋を上手く構築するために考えられた架空の路線なのです。

マコーリーの地元タリータウン駅について。Googlemapに駅の写真も出てきたのですが、なんとなく駅舎の雰囲気が違う、、、?ではどこか他の駅で撮影したのかと、各駅をストリートビューで探ってもそれらしい駅がないのです。この駅では、夫婦の毎日の歩みを説明するために、毎朝妻の自動車で駅まで送ってもらうシーンを、各季節でロケしたものをモザイク的にはめ込む結構大規模なロケが行われたはずなのですが。。。?

その答えはなんと「トレイン・ミッション公式サイト - GAGA」のプロダクションノートに載っていました。

ニューヨークの鉄道での撮影許可は下りなかったので、ニューヨークとして撮影されるロケ地イギリスのサリー州ロングクロスで撮影され、終着駅であるコールド・スプリング駅は、イギリス南部の本物の駅を装飾して撮影した。グランドセントラル駅、86番街駅、110番街駅、125番街駅は複製を建設し、長く見せるために両端に巨大な鏡が置かれた。
そして車両は30トンもの1.5輌分のセットを作ったとのこと。
なんだよ!この映画、そこまでやってたのかよ〜っと驚きました〜。

以下資料(リンク切れの場合はご容赦を)

グーグルマップ コールドスプリングへ
https://www.google.co.jp/maps/dir/グランド・セントラル駅+New+York,+NY+10017+アメリカ合衆国/Cold+Spring/@41.0838858,-74.2025677,10z/data=!3m1!4b1!4m18!4m17!1m5!1m1!1s0x89c2590199ab5699:0xb371ae8b13bf172c!2m2!1d-73.97841!2d40.752457!1m5!1m1!1s0x89c2ccb5e83def25:0x5a6bca437e3d4183!2m2!1d-73.9581516!2d41.4152698!2m3!6e0!7e2!8j1535738400!3e3

グーグルマップ タリータウンから
https://www.google.co.jp/maps/dir/タリータウン,+アメリカ合衆国+〒10591+New+York,+Tarrytown/グランド・セントラル駅+New+York,+NY+10017+アメリカ合衆国/@40.9144907,-74.0615699,11z/data=!3m1!4b1!4m18!4m17!1m5!1m1!1s0x89c2eabe3b6560d3:0xf2e7acfd7ccb4085!2m2!1d-73.864563!2d41.076473!1m5!1m1!1s0x89c2590199ab5699:0xb371ae8b13bf172c!2m2!1d-73.97841!2d40.752457!2m3!6e0!7e2!8j1535701800!3e3

メトロノース鉄道ハドソン線 平日時刻表
http://web.mta.info/mnr/html/planning/schedules/pdf/HUD_MF_MAR_18_2018.pdf

ウィキペディア メトロノース鉄道ハドソン線
https://ja.wikipedia.org/wiki/メトロノース鉄道ハドソン線

トレイン・ミッション公式サイト - GAGA
http://gaga.ne.jp/trainmission/
posted by kazzo at 21:42| Comment(0) | 映画

2018年04月30日

女神の見えざる手

「女神の見えざる手(原題 Miss Sloane)」をアマゾンのレンタルで見ました。政治サスペンスのスッバらしい一作。

銃規制法案をめぐり。規制派に立った敏腕ロビイスト、エリザベス・スローンと擁護派のロビイスト会社の虚々実々の戦いのドラマです。

ロビイストは政府外の一般社会にいながら、様々な方法で政府の決定に影響を与えて政治を変えようとする人たちのことで、かつては同一の目的を持つ人たちが集まって団体を作り議員に圧力をかけたり利害調整などをしていましたが、近世では事業化し、専門家のロビー会社が企業や団体の依頼を受けて活動することが増えてきました。これにより一般の倫理に反する活動をしたり、巧妙な非合法な方法が使われたりする問題が起こっているとのこと。



エリザベス・スローンはアメリカの大手ロビイスト会社の社員。どんな方法を使ってでも勝つ凄腕の彼女は業界でも知られた存在です。
ある日、強力な影響力と資金を持つ銃擁護団体からの「無関係を装って女性団体を立ち上げ銃擁護の思想を吹き込めないか」という依頼を一蹴し、キャリアを投げ打って、勝ち目がないと言われる戦いをするため、銃擁護派と対立する銃規制側のロビー会社に移籍します。

彼女はディベート能力に優れ、切れ者で、とびきりの策士ですが、ほぼ睡眠もとらず、バッグには覚せい剤。プライベートではエスコートサービスの男娼を買っていて、まるで勝つことにのみ固執する社会病質者のようにも見えます。スタッフがひた隠してきた秘密を暴露してしまったり、個人行動が多くなり移籍した会社の中でもスローンは孤立を深めて行きます。

彼女の存在に危機を感じた銃擁護派のロビー会社は彼女の過去の案件の非合法な手段を暴き、偽証罪で懲役刑を科して葬ろうと、政府の聴問会を開かせます、この聴問会がスローンと敵との最後の奥の手をさらし合う一騎打ちの戦場となるのです。

彼女はこの銃規制の案件を、「倫理的な判断」「挑戦に心躍った」と言いますが、彼女の過去に銃関係の事件があったのが動機ではという問いには、早めに話をはぐらかしているように見えるのです。また、突っ走ってしまう自分がスタッフの人生を壊してしまわないように配慮しています。意外に良い人かも、並外れた能力に突き動かされている正義の人かもとも思わされました。

脚本は目が離せないマシンガントーク、策略が身を結んで議員が心変わりするシーンの快感、そしてスローンを演じたジェシカ・チャステインの非情な態度の中にほのかに人間味を感じさせる演技も素晴らしい映画です。

しかしこの映画、全米3館で限定公開され5万9797ドルと興行的には大敗したようです。もしかしたらこの映画自体が銃規制ロビーと思われて、銃ロビーの圧力がかかったのかもと、なんか皮肉なことを考えてしまいました。ミス・スローンの続編が見たかったけど無理かなぁ。。。
posted by kazzo at 11:21| Comment(0) | 映画

2017年06月04日

会計士の映画

「ザ・コンサルタント」をレンタルしてみました。面白かった。



クリスチャン・ウルフ(クリス)は高機能自閉症児。数学的な能力は並外れているが、意思疎通能力には劣り、様々なことに独自の強いこだわりを持ち、それが引き金になってパニック発作を起こしてしまう。

軍人の父親は妻が逃げ去った後、クリスが将来一人で生きて行けるように、弟には兄のサポートをするように、2人に限界を超えた軍人流のスパルタ教育を施す。

大人になったクリスは田舎町で数学の才能を活かして優秀な会計士として個人事務所を持っている。しかしこれは表向きの顔、実は多数の暗黒組織の会計士をしているのだ。普通あまりに多くを知りすぎた会計士は短命なのだが、彼が生き続けているのは父親に仕込まれた暗殺術や軍事作戦術のおかげなのだ。

ある企業の会計の謎を調査する仕事の依頼を受けて。クリスは超人的な調査能力を発揮して会計のカラクリに迫るが、突然会計責任者が自殺、調査は中止、プロの殺人集団に命を狙われる。しかし、スイッチが入るとクリスは優秀な殺人者にもなるのだ。

現在の事件の合間に過去のクリスの生い立ちが挿入されて、次第に複雑な事情が明らかになってゆく、出演者の皆にも別の顔や事情があって後半次々に伏線が回収されてそれぞれにグッとくる。

クリス役を演じるベン・アフレックは、どの映画に出てもウドの大木感があって不思議な俳優だけど、今回はバッチリはまったと思う。彼のこのキャラクターはシリーズ物になるかもと思うほど魅力的なのです。

どうやってこんな不思議な設定を思いついたのかと思いながら見ていたけど、後半の展開はスーパーマンなどのヒーロー物のような印象です。ヒーロー物を下敷きにして、ヒーローにはつきもののウィークポイント、どうしても克服できない弱点を自閉症にしたらこんな話になったのかもしれません。
posted by kazzo at 00:30| Comment(0) | 映画