2018年09月25日

映画「メッセージ」の個人的なネタバレ



これは個人的にあっ!こういうことかも、、、と思った事なので正解では無いかもしれないのですがネタバレを含むのでご注意を。。。

ブレードランナー2049の謎について考えていたら、そういえばドゥニ・ヴィルヌーヴって変な映画作ってるなぁと、「メッセージ」について思い出し、突然あの映画の最後の謎が解けた気がしたのです。

自分の娘との生活、そしてその子が不治の病にかかり死んでしまう夢を見る言語学者のルイーズ・バンクス。

ある日突然世界中に出現した12隻の宇宙船との対話のため、米軍に招かれる。宇宙船に入るとガラスで仕切られた会見室。向こう側は霧か煙のようなものが充満する空間、その中にイカかタコのような異星人が現れる。彼らとの会話は音声ではなく、彼らが腕の先から出す墨で描かれる文字によるもの。この文字の解読のため宇宙人の正体を知るために、言語学者のルイーズと物理学者のイアン・ドネリーが呼ばれたのだ。

宇宙人の描く文字は、前衛書道家が描いた円のようなもので墨のハネのようなディティールに意味がある。表音ではなく、漢字のような表意文字で、今、過去、未来のような時制がないことなどがわかってくる。

国によっては敵対的な宇宙人ではと危惧するが、彼らの能力や武力の有無が不明なため手は出せない。文字の解読が進み、彼らの目的について尋ねると、「武器を提供」と解読され地球側は騒然となる。しかし「武器」には「道具」という意味もある。中国が敵対姿勢を強めると対話は断絶、攻撃準備のレベルが上がる。

最後の会見に向かったルイーズとイアンは米軍内の敵対勢力の爆破工作に巻き込まれるが、間一髪会見室から吐き出され、助かる。いよいよ臨戦態勢となり撤収が始まる基地でルイーズは一人もう一度宇宙人を訪ねる。霧の中に通されたルイーズは初めて宇宙人と同室し、驚きの事実を知る。。。宇宙人の全体像。1人の宇宙人が爆発のため、死の過程であること。彼らには現在、過去、未来を知る能力があること。人類は3000年後にあることで宇宙人を助けること。そのためには宇宙人が現在の地球に来て道具(言語)を授ける必要があったこと。

ほぼ全ての謎は解けたのですが、ここでルイーズが宇宙人に一つ質問をします。
「私が夢に見る少女は誰?」なんと、視聴者がずっと過去に失った娘と思わされていたのは。これから授かって、失う娘の事だったのが明かされます。

宇宙人と会い宇宙人の言語を理解するようになったルイーズは、未来に起こることを知る能力も身につける、ルイーズは中国軍の将軍に電話口で将軍個人しか知らないことを言い当て、宇宙人が友好的なものであることを知らせ危機は回避され。宇宙人は膨大な文字を残して未来に帰ります。

最後の謎はこのあとルイーズが予言通りイアンと結婚し子供をもうけ、失ってしまう選択をすることです。未来でイアンはルイーズがそのことを知っていたことに怒り、2人は分かれます。未来に起こる凶事をなぜ防ごうとしなかったのか、ずっと分からず、おそらく人間的な感情で、娘との短い時間を選んだのかと思っていたのです。謎の答えはこれでもよかったし間違えではないと思っていたのですが、今回思いついた答えはもっと合理的なことです。

SFでは未来はこれから起こることなので変えられる、しかし過去に起こったことを変えようとするとパラドックスになって上手く行かない。というのが多くの場合通例のようになっていたのですが、この映画では実は未来も変えられない宿命だと言っているのです。

爆死した宇宙人は、過去や未来を知る能力で自分が死ぬのを知って現代の地球に来ていましたし、わざわざ危険を冒して過去の地球に来たのも、過去に起こったことをその通りに実行しないと、3000年後の自分達が生き残れないと知っていたのです。ルイーズに未来を見せたのも、子供を失うことが何か未来への鍵になる重要な出来事だから変えてはいけないと警告していたのです。

中国軍の将軍も、危機が去った後の祝賀式に、自分がルイーズから聞かされる秘密の言葉を教えに来ます。そうしないとルイーズがその言葉を知ることができないからでしょう。

もし未来に起こる凶事を知れたとしても、それを変えようとすると、その先の未来に関係してくる人々にとっての過去を変え、運命を変えてしまうかもしれない。だから彼女は見せられた未来を回避することができないと悟ったのです。

この映画の中では人類は知らずに宿命の一本道を歩いている存在だ、と定義しているのです。未来を知ることのできる宇宙人たちは、知ることはできても変えることはできない諸行無常の存在であることも想像できるのです。

原作はアジア系アメリカ人テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」。なんとなくアジア的なアイデアに感じるのはそのせいか?。

かなり複雑な筋でも全て答えを出して終わる映画は、映画が終わればそこで見終えた気がするのですが、答えを出さずに終わる映画は、後からたまに思い出して。また考えて、いつまでも終わらない感じ。こういう謎映画を見ることが増えてきました。何ヶ月後かに突然答えを思いついた時の脳の中で小さな火花が弾ける感じが楽しい。。。間違ってるかもしれないけど。
posted by kazzo at 01:08| Comment(0) | 映画
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