2023年09月16日

Audio Spectrum 10

Audio Spectrum 10
昔作った動画の解説、その6



テレビのモニターは赤、青、緑の画素がびっしり並んで出来ていますが、今回はそんな感じの仕組みを作ってみようと思いました。

説明01.png

1. まず、基本になるタイル1枚を作ります。大きさは30ピクセル角の正方形です。この中に4つの図形を配置。

この4つの図形の大きさを音楽で変化させる仕組みを作ります。
音楽は先に決めておいて、音編集ソフト「Adobe Audition」のパラメトリックイコライザーで、それぞれ低音、中低音、中音、高音部を強調した4つの音楽として書き出しておきます。これは音楽からキーフレームを作るために使うので、キーフレームができたら削除して最後に聞こえるのは元の音楽だけになります。
先ほど作ったタイルの中の4つの図形の「スケール」にそれぞれの音程のキーフレームを同期して、音楽に合わせて各図形の大きさが変わるようにして基本のタイルが完成。

2. 基本のタイルを「CC Repe Tile」エフェクトで1920x1080の画面いっぱいに64x36個ならべます。出来上がりの画面にぴったり並ぶようにしたかったので縦横が整数で割り切れる、通分できる大きさを捜して今回は基本の大きさを30ピクセルにしました。10、15、20、30、40、60pixelあたりがタイルの大きさの候補になります。

3. 同じタイルをならべただけでは、音楽に合わせて全体の色味が変わるだけなので、これに変化をつけるためにマッピング用のモノクロ動画を用意します。今回は映画「第三の男」からお借りした顔の大きく写った部分を使っています。顔ばかりだと何が起こっているかわかりにくそうなので、動く図形なども挟んでみました。動画ができたらこれにタイルとぴったり合うように30ピクセル角のモザイク処理をしました。

4. 2.のタイル画像に「時間置き換え」エフェクトをかけます。この時に3.のマップを時間置き換えレイヤーにするとモノクロ動画の明暗に合わせて時間が数フレームずれるので、タイルで描いた画像が浮き上がるというわけです。

音楽の調子で全体の色味が変わって、それを時間のずれで顔などを浮かび上がらせるという思い付きを形にしたので、どんな絵になるかはやってみないとわからない実験ですね、やってみないと解らないことをやってみる、ああこんな感じになるのねという。。。やってみる事が大切。

今見ると、基本のタイルの4つの図形の色はもう少し派手目にしたら良かったかなぁと思います。人物の映像も1カットが長すぎたかも。多分トラエラの作業だけで大変すぎて、出来上がっただけでもう満足してたのかもね。

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2023年09月04日

Audio Spectrum 09

昔作った動画の解説、その5
オーディオビジュアライザーでもよくあるやつ。折れ線グラフの波形を少しずつ時間をずらして並べるのをやってみました。



まず「オーディオスペクトラム」エフェクトで最初の1本の横線を作ります。

このオーディオスペクトラムはこのシリーズを作り続けるきっかけになったエフェクトで良くできています。音楽の低音から高音までをグラフにしてくれるエフェクトで、どのあたりの周波数を書き出すか、高さ、細かさ、線の太さ 色、グラフの種類 折れ線 棒グラフ 点の上下、など指定がいろいろできて、パスに沿わせて変形することもできます。

今回はその一本のグラフを上から下に移動してゆき、「エコー」エフェクトで画面いっぱいに複製しています。

全体を半島と海の地形図風に見せて、音楽の雰囲気が変わってゆくにつれて、地形が変わってゆく感じに見せられないかと思いました。
音楽はゆったりと起伏がついていって、後半には大荒れになって最後にすべてが海になるような曲調の物を選びました。
距離感を出したかったので線が上と下に来た時にボカシをつけて、中央ではボカシが無いようにしています。

時間の流れ的に、上から現れた線が約30秒で下まで移動するのですが、その後また上から新しい線が30秒前の線を書き換えるように現れるので、ここは書き換えになってしまって地形としては連続していないことになってしまうのですが、ほかの方法を思いつかずに完成にしてしまいました。いまだに考えてもよくわからない問題なのです。

オーディオスペクトラムエフェクトを使うたびに思うのですが、データ的には音楽の周波数って低音がすごく多いんですね。今回も左側の陸地に見立てた部分が低音部です。
でもオーディオ機器の話になるともっと低音を効かせてとか重低音を出すとかということがあるので、おそらく人間の耳は低音より高音を効き取りやすいようにできているんだろうなぁと思います。

posted by kazzo at 11:41| Comment(0) | 自作動画

2023年09月01日

Audio spectrum 08

昔作った動画の解説第4弾
「レーザー」エフェクトを練習してみようと思って始めました。



レーザーエフェクトは2つのオブジェクトを繋いでその間を光線が行ったり来たりという感じのものですが、今回は線として使って5つの光点を繋いで(この繋ぐ指定はけっこうめんどくさいのでたくさんの点を繋ぐのは厳しい感じ)、5つの光点を別々のパス(パスはイラレで適当に作ったものをコピペできるので意外に簡単)で動かしてカクカク動き回る線を作り、エコー効果で帯状の軌跡を作っています。

5つの光点はそれぞれ別のパス上を動くので細かくタイミングを設定して作ってはいませんし、エコーをかけたところで全体が見えてくるのでどんな風にねじれた感じになるかは予想できなくて、そこがすごく面白いところです。

音楽は光点の大きさに同期してあります。エコー効果は少しづつ時間がズレた軌跡をつけてくれるので、音楽のリズムに逢わせて光点がチカチカする感じになりました。

エコー効果でエコーを多くかけて行くと、今回は青い線なので黒いはずのバックが青っぽくなってしまう癖があります。そのため最後に色補正でバックを黒に戻したのですがこのときに線も少し暗くなってしまって少し滲んでいる様な感じになってしまいました。

今見てみると、音楽が終わった後にまだエコーがなくなるまで動画が続いてしまうのがだらしなく感じますね。音楽の終わりに向けてエコーの数を減らして行けばよかったかも。。。
posted by kazzo at 16:01| Comment(0) | 自作動画

2023年08月28日

Audio Spectrum 07

昔作った動画の解説第3弾。



Audio Spectrum 07は2022/09/20にアップしていました。この頃は10日とか2週間に1本動画を完成させていたので、けっこう調子よく次々作っていた感じですね。多分「サウンドからキーフレームを作る」機能を見つけていろいろ試すのが楽しかったんじゃないかと思います。その分、解説文を書くのはめんどくさくなっちゃったんでしょう。そもそも作業の手順を文章にするのは結構難しくて面倒な作業なので。

そんな訳で、このブログに乗せていない動画が17本ぐらい溜まってしまっています。
もしご興味のある方は、全てYOUTUBEとVIMEOで公開していますので最新のものまでご覧いただけます。

YOUTUBEチャンネルはこちら…
https://www.youtube.com/channel/UCcr9jpqH51S_AXFbNU2REiw

VIMEOチャンネルはこちら…
https://vimeo.com/user40376764

Audio Spectrum 07
2020年に作った「STRIPES」という動画があってレインボウカラーのストライプが変化してゆくだけの動画だったのですが、これに波のエフェクトをかけたらどうなるかを見てみたくて作ってみました。
前回よりも線を多くして、元になる線の画像も100枚から200枚に増やしてみました。線の画像の作り方は前回の解説と同じなのでご興味のある方はご参照ください。

STORIPESの記事はこちら…
http://kazzo.sblo.jp/article/187251835.html?1693211436

波は「タービュレントディスプレイス」エフェクトを使って、うねりの量の項目を音楽から作ったキーフレームでコントロールして音楽と同期しています。あまり機敏に動くとうるさい感じなのでキーフレームにエクスプレッションでスムーズをかけてみました。

トラエラを数回繰り返してまぁこんな感じか?というのを試しにVIMEOにアップしてPCで再生してみるとノイズだらけ。絵柄が細かすぎてVIMEOでの再圧縮とネット回線の遅さからか、この絵では再現不可能のようなのです。最初から作り直して線を太くして再アップ、これを数回くり返したのですがまだノイズっぽい。。。結局ネット速度は変化するし、それに合わせてどんどん絵を単純化しても自分の見せたいものから離れてゆくので、本末転倒な気がして、ある程度のノイズはあきらめてしまいました。この後ネットでの再現性で毎回悩むことになるのですが。。。

後から見ると、最後の方のうねりが少なくなって消えていくあたりがきれいに思えて、うねらせすぎたかなとも思いますが、これはこれ。作っている間は思い込みもあって判断できないことも多いですね。反省はまた別の動画で活かしましょう。

posted by kazzo at 17:39| Comment(0) | 自作動画

2023年08月27日

The Third Man Remix

映画のリミックスシリーズ「第三の男」。



前から、いつかはリミックスしてみたいと思ってダウンロードしてあったパブリックドメインの映画「第三の男(The Third Man)」に手を付けてしまいました。恐れ多いな〜。

映画「第三の男」は第二次大戦後、英米仏ソの分割統治となり、スパイや亡命者が流れ込んで魔都のごとくになったオーストリアの首都ウィーンを舞台にしたフィルムノワール。監督はキャロルリード。迷路のような町や巨大な下水道、走り回る影などの映像が美しい映画でした。悪人を演じたオーソン・ウェルズは撮影現場でも見事なトラブルメーカーだったようですが、

そのあたりも含めて詳細はWikipediaで…
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%89%E3%81%AE%E7%94%B7

リミックスをやりたくなったのは、YOUTUBEでAfter Effectの「カードダンス」エフェクトを使ったSF映画風の空間スクリーンのような効果を見たからで、この感じでレトロフューチャー的な異界都市の幻想映像が作れそうな気がしたからです。ほとんどYOUTUBEの説明を見ながら色まで同じ感じになってしまいましたが、この効果には元画像の明暗によって、不思議な立体感が付くので、元画像のレイヤーを3dにしてカメラを繰り返し左右に振って不思議な奥行き感をつけています。

音楽はこの映画のアントン・カラスによる有名なテーマ曲がありますが、これを使うと妙にお気楽な感じになる気がして、SF的な曲に置き換えました。また映画のセリフもところどころ残してエコーをかけたりしてそれっぽい雰囲気を作ろうとしました。

後から見ると、ちょっと長すぎましたね。リミックスを作ろうとするとどうしてもストーリーを追ってしまって、あれもこれもと説明的に長くなってしまいますね。出演者の顔とウィーンの街の印象的な場面だけで良かったかも、、、


「第三の男(The Third Man)」の元動画はこちら…
https://archive.org/details/the-third-man-1949-restored-720p-hd


今回のカードダンス効果のYOUTUBE動画はこちら…
https://www.youtube.com/watch?v=tZTgmn3Kv3s&list=FLcr9jpqH51S_AXFbNU2REiw&index=1&t=28s


posted by kazzo at 20:00| Comment(0) | 自作動画